物ではなく、心を売る!?
(↑20才頃の私)
私は商業高校を卒業して直ぐに、名古屋の繊維問屋街(長者町)に丁稚奉公に行きました。
今から55年前の話です。
18才の私に待っていた仕事は、小間使いです。
商品の荷造り
値段付け
運送屋さんへの荷物出し
およそ1年くらいは、そんな仕事ばかりしていました。
2年目にようやく、お得意様回りの担当になりました。
知多半島全域、刈谷市、豊田市の布団屋さんに商品の配達です。
ただ注文の寝具を届けるだけでなく、売り込みもしました。
どんなものなら買って頂けるのかを想像して、提案していました。
おかげで売上成績も良く、社内に張り出される月間売上のグラフも、常に上位にランクインです。
でも、3年近く修行して実家の寝具店に戻った時に感じたことがありました。
商品知識は確かに増えましたが、接客セールスの方法が、問屋と小売店では、全く違っていたのです。
お客さまが求めているものは、寝具ではなかったのです。
「快適な眠り」だったのです。
「物ではなく、心」だったのです。
そんな一番大切な道理を理解するのに、かなり遠回りをしてしまったようです。